相続した実家は賃貸と売却どっちが得?元が取れる年数で比べる
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親戚の集まりで「売るなんてもったいない。貸せば毎月家賃が入って、年金代わりになるよ」と言われた。言われてみればそんな気もする。でも築40年の家を、本当に誰かが借りてくれるのか。
貸して得をするかどうかは、気持ちではなく計算で決まります。貸す前にかかるお金を毎年の手取り家賃で割れば、何年で元が取れるかが出ます。この記事では、その計算の手順と、貸したあとに抱えるリスクを説明します。
「年金代わり」になるかは、手取りで計算すると分かる
親戚が言う「家賃が入る」は、家賃そのものの話です。実際に手元に残るのは、そこから費用を引いた額です。
仮の数字で計算してみます。家賃が月8万円の場合です。
| 項目 | 年額(仮の数字) |
|---|---|
| 家賃 8万円 × 12か月 | 96万円 |
| 管理委託料(家賃の5%) | −4.8万円 |
| 固定資産税・火災保険 | −15万円 |
| 空室(年に1か月分) | −8万円 |
| 修繕の積み立て | −10万円 |
| 手取り | 約58万円 |
家賃96万円のうち、手元に残るのは6割ほど。ここから、貸す前のリフォーム費を取り戻していきます。仮にリフォームに500万円かかれば、500万円 ÷ 58万円で、元が取れるまで約9年。その間に給湯器や屋根の修理が重なれば、さらに延びます。10年を超えるようなら、売ったほうが安心だと考えてよいでしょう。
自分の家で計算するには、不動産会社に賃料の査定(いくらで貸せるか)と、リフォームの見積もりの見当を出してもらってください。
駅から徒歩15分・築40年なら、建物の状態しだい
| 貸すのに向いている | 売るのに向いている |
|---|---|
| 駅や街に近く、借りたい人が多い | 田舎や郊外で、借り手が少ない |
| 建物が比較的新しく、大きな修繕がいらない | 古くて、水回りや屋根の修繕が必要 |
| いずれ自分や子どもが住むかもしれない | 住む予定がない |
| 管理を任せる手間と費用を受け入れられる | 遠くて、管理に関わりたくない |
| 急な出費があっても困らない | まとまったお金が必要、相続人で分けたい |
駅から徒歩15分なら、地域によっては借り手は見込めます。問題になりやすいのは築40年のほうです。水回りや給湯器、外壁、屋根がまだ手を入れずに使えるか。ここで、貸す前のお金が大きく変わります。
相談サイトの発言小町には、友人の実家が売れも貸せもせず何年も経ち、貸すには水回りなどで1,000万円ほどかかると言われた、という声がありました。古い家ほど、この「貸す前のお金」が膨らみます。
相続人が何人かいて、お金で分けたいなら、売るほうが話はまとまりやすい。貸すと、家賃の分け方や修繕費の出し方で揉めることがあります。
貸すと、空室・修繕・入居者対応のリスクを抱える
借り手が見つかるまでは家賃ゼロで、固定資産税だけが出ていきます。給湯器が壊れた、雨漏りがした、となれば直すのは大家の役目です。家賃の滞納や、退去のときの原状回復の費用で入居者と揉めることもあります。
見落としやすいのが、貸したら簡単には返ってこないことです。普通の賃貸借契約だと、大家の都合で出ていってもらうのはまず無理です。いずれ売るつもりなら、期間を決めて貸す「定期借家契約」を考えます。
親戚に答える前に、売却の相場も聞いておく
貸すか売るかは、両方の数字を並べてはじめて決められます。賃料の査定と一緒に、売ったらいくらかも聞いておけば、親戚にも数字で答えられます。売却の相談は無料でできます。