公開 2026-11-03

借地権は解体せずに売れる|相続した借地の家を手放す3つの売り先

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相続の手続きを進めていて、初めて知った。実家の土地は、地主さんから借りている借地だった。挨拶をかねて連絡すると、「住まないなら、更地にして返してもらえれば」と言われた。解体費だけで100万円単位。払って、何も残らないのか。

壊して返す前に、借地権を売れないか確かめてください。借地権には値段がつきます。この記事では、売り先の選び方、地主の承諾と承諾料、業者に相談するときの準備をまとめました。

「更地で返して」と言われても、その場で返事をしない

地主さんにとっては、更地で返してもらうのがいちばん楽です。でもそれは、あなたが解体費を払い、借地権をただで手放すということでもあります。

その場では「相続の手続きが終わってから、改めて相談させてください」とだけ伝えて、約束はしないでおきましょう。先に確かめたいのは次の3つです。

相続するだけなら、地主の承諾も承諾料もいらない

借地権を親から子へ相続するだけなら、地主の承諾はいりませんし、承諾料を払う必要もありません。名義を変えるならお金を、と言われても、相続そのものに対して払う義務は基本的にないと考えてよいです。地代を払う人が変わったことだけは、地主さんに伝えておきます。

壊して返すと、解体費は自分持ちで、借地権の価値も消える

借地を返すときは「更地にして返す」と契約書で決まっていることが多く、その場合の解体費は借りている側の負担です。木造でも100万円単位のお金が出ていきます(解体費用の目安)。

そのうえ、自分から契約を終わらせて返すと、借地権の価値はお金に換わらないまま消えてしまいます。壊す前に、売れないかを一度確かめてください。

なお、契約期間が満了して地主が更新を拒んだときなどは、借りている側から地主に建物を時価で買い取るよう求められる「建物買取請求権」という権利もあります。

売り先は地主・買取業者・一般の買い手の3つ

売り先特徴
地主土地が丸ごと自分のものになるので、買ってくれることがある。話がまとまれば承諾料はいらない
借地権の買取業者地主との交渉ごと引き受けてくれる。値段は相場より下がりやすいが早い
一般の買い手(仲介)高く売れる見込みはあるが、借地の家を買う人は少なく時間がかかる

「更地で返して」と言ってきた地主さんが、実は借地権を買い取ってもいい、と考えていることもあります。地主と組んで、土地と借地権をまとめて売り、代金を分けるやり方もあります。

第三者に売るなら、地主の承諾と借地権価格の1割ほどの承諾料

地主以外に売るときは、地主の承諾が必要です。承諾の代わりに「譲渡承諾料」を払うのが一般的で、借地権価格の10%程度が目安とされています。

地主がどうしても承諾しないときは、裁判所に申し立てて、承諾の代わりの許可をもらう手続き(借地非訟)があります。この場合も、承諾料にあたるお金を払うよう裁判所が命じるのが普通です。

借地権の価格は、ざっくり「更地の価格 × 借地権割合」で考えます。借地権割合は地域によって30〜90%と幅があり、国税庁の路線価図で調べられます。

業者に相談する前に、契約書と地主とのやり取りを整理しておく

買取業者には、まず契約書を見せることになります。期間、地代、更新料や承諾料の決まりを確認されるので、見つからなければ地代の領収書などを用意します。

地主さんに「更地で返して」と言われたことも、そのまま伝えてください。業者の進め方が変わります。

借地権は値付けが難しく、業者によって金額の開きが大きくなりがちです。2社以上に聞いてください。

借地権の買取業者は、実家のある地域で選ぶ

借地権を扱う買取業者は、対応している地域や得意な物件が違います。

実家のある地域相談先の例特徴
東京・神奈川・埼玉・千葉借地権 無料相談ドットコム借地権が専門。地主との交渉や借地非訟にも対応。住宅ローンが残っている物件は対象外
それ以外の地域ラクウル(訳アリ不動産の買取)借地権・再建築不可・共有持分など、権利が複雑な物件の買取に力を入れている

どちらも、査定を受けたら売らなければいけないわけではありません。地主さんに返事をする前に、まず値段の見当をつけておくと交渉の材料になります。

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