相続した実家は残置物そのままで売却できる?片付けずに売る方法
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片道2時間かけて実家に通い、週末をつぶして片付ける。半年たっても押し入れひとつ空かない。これをあと何回やれば売れるのか、と考えると気が重くなる。
結論から言うと、片付けを終えなくても家は売れます。買取という売り方なら、家具も遺品も残ったまま引き取ってもらえることが多い。この記事では、片付けてから売る場合とそのまま売る場合で、手元にいくら残るかの比べ方を説明します。
片付けを終えなくても、買取なら売れる
不動産の売り方には「仲介」と「買取」があります。
仲介は、不動産会社が一般の買い手を探す売り方です。買うのは個人なので、引き渡すときは空っぽの家が基本になります。
買取は、不動産会社や買取業者がその家を自分で買います。片付けも解体もリフォームも、業者があとでまとめてやる前提です。だから「残置物あり・現状のまま」で買ってもらえることが多く、売主がやるのは貴重品と残したい物を持ち出すことだけ、というケースもあります。
ただし処分にかかるお金は、買取価格からあらかじめ引かれています。片付けの手間がなくなるぶん、値段は下がると思っておいてください。
仲介で売るなら、片付けはほぼ避けられない
仲介で家を探している人は、すぐ住める家か、自分でリフォームする家を探しています。物が詰まったままだと部屋の広さも傷み具合も分かりにくく、内見の印象がよくありません。引き渡しまでに空にすることを契約で決めるのが普通で、処分を買い手に任せるなら値引きを求められます。
しかも仲介だと、内見のたびに鍵を開けに行くか、不動産会社に鍵を預けることになります。片道2時間の家では、これも負担です。
業者に片付けを頼むと、一軒家では数十万円かかることもあります。目安は片付け費用の相場に載せました。
通い続ける費用も、比べる数字に入れる
自分で片付ければ業者代はかかりません。でも、通うたびにお金と時間は出ていきます。
仮に、1回の往復で高速代とガソリン代が1万円かかるとします。月2回通えば年24万円。半年で12万円です。ここに休みをつぶす分と、そのあいだの固定資産税・光熱費が加わります。
「業者に頼むと高い」と感じていた金額と、自分で通い続ける金額が、実はそれほど変わらないことがあります。一度、自分の場合の数字を出してみてください。
手取りは「仲介の売値から差し引いた額」と買取価格で比べる
| 片付けて仲介で売る | そのまま買取 | |
|---|---|---|
| 売却価格 | 高くなりやすい | 仲介より安くなりやすい |
| 片付け費用 | 自分で払う(または通って自分でやる) | いらない(価格に織り込み済み) |
| 仲介手数料 | かかる | 業者が直接買うならかからない |
| 売れるまで | 数か月〜読めない | 早ければ数週間 |
| その間の費用 | 固定資産税・保険・光熱費・通う費用が続く | 短く済む |
比べるのは、仲介の売値から片付け費用・仲介手数料・売れるまでの維持費と通う費用を引いた額と、買取価格です。両方の数字を出すには、仲介の査定と買取の査定を一度ずつ取るのがいちばん早い。
少しずつ自分で片付けて、疲れてしまう人は多い
相談サイトの発言小町に、両親が相次いで亡くなり、片道1時間半の実家へ週末ごとに通って片付けているのに進まない、という相談がありました。
回答で目立ったのは、こんな意見です。少しずつやるといつ終わるか分からないし、その間も光熱費と固定資産税はかかる。貴重品と形見だけ持ち出して、あとは業者に任せるか、残置物ありのまま売ればいい。一方で、残置物ありで売れるのは片付け代を見込んでも買いたい人がいるときで、人気のない地域では簡単ではない、という指摘もありました。
自分でできる分はやりたい、という気持ちは自然です。ただ、もう限界だと感じているなら、片付けをやめて先に買取の金額を知るのも立派な選択です。
次に実家へ行く1回で、持ち出しておく物
買取にするなら、次に行く1回で済ませたいのは「片付け」ではなく「持ち出し」です。
- 権利証(登記識別情報)、通帳、印鑑、保険証券、年金の書類
- 写真や形見など、手元に残したい物。業者に渡す前に必ず
- 登記の名義も確認を。親の名義のままでは売れないので、相続登記が先です
残置物ありで相談できる買取先は、家の事情で選ぶ
買取業者は、得意な家が少しずつ違います。実家の事情に合うところに相談すると、話が早く進みます。
| 実家の事情 | 相談先の例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 古い・荷物が残った空き家 | ラクウル(空き家・中古戸建ての買取) | 自社で買い取るので仲介手数料がかからない |
| 再建築できない・借地・共有名義など権利が複雑 | ラクウル(訳アリ不動産の買取) | 再建築不可・共有持分・旧耐震・借地権の買取に力を入れている |
| 孤独死などがあった家(事故物件) | 成仏不動産 | 事故物件が専門で、全国に対応 |
| 地域の事情に詳しい人に頼みたい | 地元の不動産会社 | 仲介と買取の両方を相談できることが多い |
どこに頼むにしても、1社だけで決めず、2社以上の金額を見てから選んでください。買取価格は会社によって差が出ます。