田舎の実家を相続したら?売れない・遠い家を手放す方法
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春、田舎の実家の固定資産税の通知が自分あてに届く。金額はそれほどでもない。でも、誰も住まない家のためにこれが毎年続くのかと思うと落ち着かない。片道4時間かけて様子を見に行くのも、年に何回できるか。
田舎の家が売れにくいのは事実です。それでも、引き取り手は思っているより多くいます。放っておくといくらかかり続けるのか、誰に相談すれば手放せるのかを、順番にまとめました。
届いた固定資産税は、毎年かかる費用の一部にすぎない
通知の金額だけ見ると、払えなくはない額かもしれません。でも空き家を持ち続けると、ほかにも毎年お金が出ていきます。
火災保険は、空き家だと保険料が上がったり、断られたりします(空き家の火災保険)。換気や通水、草刈り、郵便物の確認で通えば、交通費と休みが消えます。雨漏りや屋根の傷みは、放っておくほど直すのに高くつきます。
そして、いちばん避けたいのが放置です。管理されずに傷んだ空き家は、自治体から「管理不全空家」や「特定空家」として指導や勧告を受けることがあります。勧告を受けると、土地の固定資産税を安くしている特例が外れて、税金が上がります。 片道4時間の家を、年に数回の見回りで傷ませずに保つのは簡単ではありません。1回の訪問でやることは空き家の管理の頻度とやることに、管理を人に頼む費用は管理代行の費用にまとめました。
1年でいくらかかっているか、書き出してみる
持ち続けるか手放すかを決めるとき、いちばん効くのは自分の数字です。次の表を、自分の実家の分で埋めてみてください。
| 費用 | 書き方 |
|---|---|
| 固定資産税 | 届いた通知の年税額 |
| 火災保険 | 年額(長期契約なら1年あたりに直す) |
| 交通費 | 往復の新幹線・レンタカー代 × 年に通う回数 |
| 草刈り・見回り | 業者や近所の人に頼んでいるなら、その年額 |
| 光熱費・水道 | 止めていなければ基本料金の年額 |
合計を出したら、それを10倍してみます。10年持ち続けると、これだけ出ていくという数字です。片道4時間の距離だと、交通費だけで固定資産税を上回ることもあります。
田舎の実家が売れにくいのは、住みたい人が少ないから
理由はいくつか重なっています。買って住みたい人の数がそもそも少ない。建物が古く、住むには大がかりなリフォームがいる。土地が広く、庭木や石垣など解体や手入れにお金のかかるものが多い。農地がついていれば、売買に農業委員会の許可も必要です。
相談サイトの発言小町にも、田舎の広くて古い実家を残すか手放すかで悩む相談がありました。回答には厳しい声が並びます。友人の実家は売れも貸せもしないまま7年経ち、貸すには水回りなどで1,000万円ほどかかると言われた。解体費は上がっているうえに更地にすると税金も増え、不便な場所なら更地でも売れるとは限らない。
ただ、同じ相談には逆の話もありました。地元の不動産会社に相談したら、家と田畑をまとめて買ってくれた。古民家や古材を扱う業者が、移築用に買い取ってくれた。売れないと決めつける前に、地元の不動産会社と買取業者の両方に聞いてみる価値はあります。
引き取り手は地元の不動産会社・買取業者・隣の家にもいる
| 相手 | どんなときに向くか |
|---|---|
| 地元の不動産会社 | 地域の事情に詳しい。会社の寮や店舗用に探している人を知っていることも |
| 空き家・訳あり物件の買取業者 | 古い・遠い・荷物が残ったままでも査定してくれる。現地に何度も行かずに進められることが多い |
| 空き家バンク | 自治体が移住希望者などに紹介する。価格は安くなりがち |
| 隣の家・近所の人 | 土地を広げたい隣人が買ってくれることがある |
| 国(相続土地国庫帰属制度) | 建物を解体して更地にし、負担金を払って引き取ってもらう最後の手段 |
遠くに住んでいるなら、地元の不動産会社には電話で一度相談し、買取業者には査定を申し込む。この2本を同時に進めると、片道4時間を何度も往復せずに済みます。
先に解体するかどうかは、費用と税金の兼ね合いで決めます。解体すべきかで詳しく書きました。
一人で相続したなら、決めるのは自分だけ
兄弟がいれば話し合いが要りますが、一人で相続したなら、決めるのは自分です。その分、動き出せば早く進みます。
- 法務局で登記を確認する。古い家は祖父母の名義のままのこともあります
- 相続登記(名義変更)をする。2024年4月から義務で、相続を知ってから3年以内です
- 上の表で、1年あたりの費用を書き出す
- 地元の不動産会社(仲介)と買取業者、両方の査定を取る